投稿日:2025.10.01
先日、新聞を読んでいたら外国人観光客についての記事に目がとまりました。
2025年上半期、日本を訪れた外国人観光客はどれくらいいると思いますか?
なんと、過去最高の2,152万人に達したそうです。
これは前年同期比で約21%増、単純計算で約370万人もの増加になります。
年間じゃないですよ!上半期だけでですよ?すごい数字だと思いませんか?
日本の人口が約1億2,000万人。その6分の1の人口が半年で入国するってすごいですよね、、、
4-5年前のコロナ禍ではありえなかった状況から完全復活を象徴するような爆発的な数字に感じます。
確かに振り返ってみると、2024年ころからの円安の追い風で外国人観光客が一気に増えた印象です。
また、商品の価格についてもインバウンド価格と言われるようになり、例えば築地の海鮮丼も12,000円で提供しても外国人観光客にとっては「安い」印象であることを以前ニュースで見ました。
年が明けた2025年はさらに勢いを増し、上半期だけで2,000万人を突破。
6月単月では337万8,000人(前年比7.6%増)と、月次でも過去最高を連発しているそうです。
市場別では、中国からの回復が顕著で、3月だけで66万人超(同46%増)。
韓国や台湾、米国からも安定した流入が見られアジア中心のインバウンドが広がりつつあるそうです。
このブームの原動力は、やはり円安の継続だそうで、1ドル150円台が定着し、日本は「割安な高級体験国」として魅力を発揮。
加えて、航空路線の増便やビザ緩和が後押ししているとのことでした。
さらにLCCの就航で地方アクセスが向上し広島や沖縄のような地域にも観光客が増えているみたいです。
ちなみにJTBの予測では、2025年通年で4,020万人(前年比108.9%)に達し、経済効果は5兆円超と見込まれると試算しています。
たくさんの観光客が増えればそれだけ経済は大きく活性化し飲食・小売・宿泊業の売上高が跳ね上がり、雇用創出も加速します。
また地方では空き家活用の民泊が活況を呈し、過疎地に新たな息吹を吹き込んでいることもとても素晴らしいことですよね!
しかし、その一方で、上記のような喜びだけではありません。
オーバーツーリズムという言葉が最近になって飛び交うようになりました。
これは「許容範囲を超えた観光」という意味だそうです。
例えば京都の清水寺周辺や富士山登山道では、混雑による住民のストレスが社会問題になっています。
また、ある地域では地元の人がバスに乗れないほど観光客が占領していたり、またアニメ「スラムダンク」でお馴染みの、鎌倉高校前の踏切の観光客の混雑やマナー違反の問題など、今日本の至る所でこのオーバーツーリズムの現象が起こっています。
私も先日、北海道富良野の農家の畑に観光客が無断で写真を撮りに入り農家の方が困り果てていることを取り上げているドキュメンタリー番組を見ました。
地元の人が困るような観光客の増え方は確かに見直さなけらばならないと痛感しました。
とはいえ、日本経済は観光客に支えられているといっても過言ではありません。
国や政府、また自治体や地元の方々を交え、どうしたらお互いが尊重し合い、マナーを守ってもらい、気持ちの良い観光が成り立つのかをこれから真剣に議論する必要があるなと思います。
訪日ブームを活かし、誰もが笑顔で、日本の素晴らしさを分かってもらえるようになって欲しいと願います!