投稿日:2025.05.15
突然ですが皆さんはヤングケアラーとはご存じですか?
18歳未満で家族の介護や家事を担う若者のことを指します。
病気の親の世話や兄弟の面倒、家の掃除や買い物を一手に引き受けるため子どもらしい時間を奪われがちです。
このヤングケアラーについて以前、ある番組の特集で見たことがありましたが、厚生労働省の2021年の調査によると、中学生の約5.7%がヤングケアラーに該当し、高校生ではさらに割合が高いそうです。
学校の勉強や部活、友達との時間が削られ、心身のストレスを抱える子もいるかと思います。
周囲からは「家族を支える良い子」と見られがちですが、その裏で孤立や将来への不安を感じているケースも多いのではないでしょうか?
一方、個人事業主は自由な働き方を求めて増え続け、総務省の2024年のデータでは約370万人が登録しているそうです。当協会所属の会員もフリーランスのライターやデザイナー、飲食店経営者など、多様な職種の方が在籍しています。自分のペースで働ける一方、収入の不安定さや税務処理、やるべきことや自己管理の負担は以外と大きいのが現状です。
クライアントとの交渉や仕事の波に振り回され、精神的にも追い詰められる瞬間があるかと思います。
実際に当協会が実施したアンケートでは、約半数以上の方が自身の健康や収入の不安定さの部分についても不安であると回答結果がありました。
特にコロナ禍以降、経済の不確実性が増し、個人事業主の約3割が「収入の減少」を実感しているとのデータもあるそうです。(2023年、独立行政法人中小企業基盤整備機構調査)。
さて、この二つ、実は意外な共通点があります。
それは「見えない責任」を背負っている点ではないでしょうか?
ヤングケアラーは「家族を守るため」。
個人事業主は「自分の夢や生活のため」。と、どちらも強い使命感で動いています。
でも、その頑張りは外からは見えづらく、理解されにくい。
ヤングケアラーは「ただの家事手伝い」と軽く見られ、個人事業主は「自由そう」と誤解されることがあり、どちらも社会的サポートが不足しがちで、孤立感を抱えやすいのではないか?と私は感じます。
では、どうすればいいのか。
色々支援先を調べてみるとヤングケアラーには、地域の支援窓口やスクールカウンセラーが頼り先に。
例えば、自治体が運営する「ヤングケアラー相談窓口」は、専門家が話を聞き、必要なら福祉サービスにつなげてくれるそうです。学校でも、信頼できる先生に相談することで、負担を軽減する工夫が見つかることもあるかと思います。
一方、個人事業主には、同業者とのコミュニティが心強いと伺います。
以前、当協会が行ったアンケートでは、困った時や何かあった時の相談先について、「同業者」と答えた方が約4割ほどいらっしゃいました。
同業者ならではの情報交換やアドバイス等がメンタルケアの一つになるということですね。
その他、当協会にご相談頂いたり、お金のことに関しては当協会専属のファイナンシャルプランナーに相談して頂く方も多くいらっしゃいます。
いずれにしても共通の鍵は「助けを求める勇気」だと感じます。
ヤングケアラーも個人事業主も、ひとりで抱え込む必要はありません。
困った時やしんどい時は、勇気をもって周囲にSOSを出すことが大切です。
社会全体でも、こうした見えない負担に目を向け、支え合う仕組みを広げることも大切ですよね。
ヤングケアラーには安心して学べる環境を、個人事業主には安定して挑戦できる土壌を。
当協会としても個人事業主の皆様のお役に立てるよう日々使命感をもって運営に取り組んで参ります。